中国語で「~に…をさせる」という表現を使役文といいます。

使役文は兼語文という文法の一種です。

今回は使役文と兼語文の違いについて勉強しましょう。

兼語文とは文の前半の動詞と後半の動詞の主語が違う文

使役文の文法は「主語 + 让ràng + 対象者 + 動詞」で「(対象者)に…をさせる」を表します。

「让」のかわりに「叫 jiào」や「使 shǐ」を使うこともできます。

ニュアンスはそれぞれやや異なりますが、どれも「~に…をさせる」を表します。

例えば「他让我说明这件事」という文であれば「彼は私にこの件を説明をさせた」という意味です。


兼語文は前の動詞の目的語が次の動詞の主語を兼ねている文法です。

使役文はこの兼語文の文法構造となります。

先ほどの「他让我说明这件事」という文の場合、「他让我(彼は私にさせる)」の目的語「我」は後ろの文の主語で「我说明这件事(私はこの件を説明する)」を表します。


兼語文を作れるのは一部の動詞です。

「求qiú(求める),请qǐng(頼む),劝quàn(すすめる)」なども兼語文となる動詞ですが、これらの動詞は使役動詞ではありません。

つまり使役文は兼語文ですが、「兼語文=使役文」というわけではありません。

例文で見てみましょう

这新闻让人惊讶。 Zhèxīnwén ràng rén jīngyà
(このニュースは人々を驚かせた)

他们不让我参加。 Tāmen búràng wǒ cānjiā
(彼らは私に参加させなかった)

老板劝我接受那工作。 Lǎobǎn quàn wǒ jiēshòu nà gōngzuò
(店長は私にあの仕事を受けるよう勧めた)


例文1つ目2つ目は使役文です。否定形は「不让」となります。

3つ目は兼語文ですが、「~させる」という使役文ではありません。

練習問題に挑戦

中国語を日本語に、日本語を中国語にしてみましょう。

1. 老师让学生自我介绍。
2. 妈妈求我帮忙。
3. 他说的话使我尴尬。
4. 私は彼に契約書にサインさせる。
5. 私は彼に契約書を確認してもらう。



ヒント不要な方はここで問題にチャレンジしてみてください。

ヒントと解答解説はこの下です。


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 -ヒント

自我介绍zìwǒjièshào … 自己紹介をする
帮忙bāngmáng … 手伝う
尴尬gāngà … 気まずい思いをする
契約書 … 合同hétóng
サインする … 签qiān
確認する … 确认quèrèn

解答と解説

テストの答え

1. 先生は生徒に自己紹介させた。
2. お母さんは私に手伝うように頼んだ。
3. 彼の話は私に決まづい思いをさせた。
4. 我让他签合同。
5. 我请他确认合同。

 1.3.
使役文の兼語文です。

 2.
「求」を使った兼語文です。

 4.
「~に…させる」という使役文です。

 5.
「~に…してもらう」という「请」を使った兼語文です。