前回はアスペクト助詞「了 le」を解説しました。

いちばん大事なポイントはアスペクト助詞「了」は過去形ではなく、現在未来などどの時制でも使うことができるということです。

今回は引き続き「了」について勉強してみましょう。

アスペクト助詞「了」と語気助詞「了」の違い

例えば「我看了报纸了(私は新聞を読みました)」のように文の中に「了 le」が二つでてくることがありますが、それぞれ「了」の品詞が違います。


アスペクト助詞「了 le」は必ず動詞のすぐ後ろに位置します。

動作の完了を表し、目的語は話し手聞き手双方の既知の具体的なものになります。


語気助詞の「了」は文末に位置します。

状況の変化や事態の発生を表し、目的語は一般的なものを取ることができます。

上記例文のように一つの文に「了」が2つ出てくる場合、アスペクト助詞の「了」を省略して語気助詞の「了」のみにすることができます。

「我看了报纸了」と「我看报纸了」の意味に違いはないという事です。


時量詞(動作の長さを表す表現)を含む文の場合、アスペクト助詞「了」の方は完了した出来事で現在は行っていないニュアンスになります。

それに対し語気助詞「了」の文は現在に至る出来事であることを表します。

例文で見てみましょう

我写好文章了。 Wǒ xiěhǎo wénzhāng le
(文を書き終えた)

孩子睡了七个小时。 Háizi shuìle qīgexiǎoshí
(子供は7時間寝た)

孩子睡七个小时了。 Háizi shuì qīgexiǎoshí le
(子供は7時間寝ている)


1つ目の文は「我写好了文章了」としても同じ意味です。

2つ目の文はアスペクト助詞「了」で子供は今は寝ていません。3つ目の文は語気助詞の「了」で子供は今も寝ています。

練習問題に挑戦

中国語を日本語にして、アスペクト助詞「了」か語気助詞「了」かを答えましょう。

1. 下雨了。
2. 我忘了带出差的收据。
3. 我学两年中文了。
4. 我学了两年中文。
5. 他常去中国,喜欢吃臭豆腐了。



ヒント不要な方はここで問題にチャレンジしてみてください。

ヒントと解答解説はこの下です。


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 -ヒント

出差chūchāi … 出張
收据shōujù … 領収書
臭豆腐chòudòufu … 臭豆腐

解答と解説

テストの答え

1. 雨が降って来た。(語気助詞「了」)
2. 出張の領収書を持って来るのを忘れた。(アスペクト助詞「了」)
3. 私は中国語を2年勉強している。(語気助詞「了」)
4. 私は中国語を2年勉強していた。(アスペクト助詞「了」)
5. 彼はよく中国に行っていたので、臭豆腐が好きになった。(語気助詞「了」)

 3.4.
語気助詞「了」の文は現在も勉強しています。アスペクト助詞「了」の文は以前に勉強していて今はしていません。

 1.5.
雨が降っていない状態から降った状態への変化、臭豆腐が好きではなかった状態から好きな状態への変化を表しています。