中国語の基本的文法は「主語+動詞+目的語」です。
しかし特定のシーンで目的語を強調したい場合、別の文法をとることができます。
把構文 「主語+把 bǎ+目的語+動詞」
主語の後ろに「把 bǎ」を置いてその後ろに目的語を置くことで、「~を」という言い方にできます。
日本語の「主語+目的語+動詞」の文法に近い形になります。
「把」を使った目的語の方が、通常の文法の目的語よりも強調した形になります。
すべての表現が把構文にできるわけではなく、文法上の制限があります。
目的語は聞き手と話し手に取って既知のものでなければいけません。不特定なものを目的語にすることはできません。
また動詞は単独では使えません。「了 le」や補語、重ね型にするなどの要素が必要です。
把構文を使った表現では「把」の後ろだけではなく動詞の後ろにも目的語を置いて、一つの文に2つの目的語を置くことがあります。
いくつかの表現は把構文を使わないと表現できません。
例文で見てみましょう
我把你的书看一下。 Wǒ bǎ nǐde shū kànyíxià
(私はあなたの本を読んだ)
老公把女儿做的菜吃好了。 Lǎogōng bǎ nǚ’ér zuòde cài chīhǎo le
(夫は娘の料理を平らげた)
她把日语翻译成英语。 Tā bǎ Rìyǔ fānyìchéng Yīngyǔ
(彼女は日本語を英語に翻訳した)
把構文の目的語は特定のものでなければいけません。1つ目の例文を「我把书看一下」のように、不特定のものを目的語にすることはできません。
また動詞は単独では使いません。1つ目の例文を「我把你的书看」のようにすることはできません。
3つ目の文のように把構文は二つ目的語をとることもあります。
練習問題に挑戦
日本語を中国語に、中国語を日本語にしてみましょう。
1. 私は妻のプリンを食べた。
2. 私はさっき書いたメモを冷蔵庫に貼った。
3. 我把手表摘下了。
4. 他把这篇文章念出来。
5. 把朋友说的话一直留在心里。
ヒント不要な方はここで問題にチャレンジしてみてください。
ヒントと解答解説はこの下です。
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-ヒント
プリン … 布丁bùdīng
さっき … 刚才gāngcái
メモ … 笔记bǐjì
~に貼る … 贴在tiēzài
摘zhāi … はずす
篇piān … (文章を数える量詞)編
念niàn … 声に出して読む
一直yìzhí … ずっと
解答と解説
1.
「吃了」のように動詞は単独では使わず、「了」のような要素や語気助詞が伴います。
2.
「记的笔记」を「写的笔记」としても構いません。
4.
「念出来」の「~出来」は方向補語です。