「中国語は難しい」と感じる最大の原因は中国語の発音です。中国語と日本語では発音の仕組みが違うところがたくさんあります。まず中国語の発音の基礎情報についてみてみましょう。
中国語普通語とは?北京語との違いとは?
中国語の標準語のことを普通語(pǔtōnghuà プートンホヮ)といいます。「中国語普通語=北京語」と思っている方がいますが、それは半分正解で半分間違いです。
普通語は北京の言葉をもとに制定されたので、かなりの表現や発音が同じです。普通語が話せれば、北京で言語面では全く問題なく生活できます。
しかし完全に同じというわけではなく、北京語独特の言い方や発音のクセがあります。例えば単語や語尾に舌をそらした発音「儿(-r アル)」が付くのは北京含めた中国北部の方言です。
日本語の標準語と東京弁では若干発音や使う言葉が違うのと同じように、中国語普通語と北京語では多少の違いがあります。
ピンインとは
中国語の漢字だけ見ても、発音を理解するヒントが限られています。そのため1950年代に、漢字を読むための助けとして拼音(pīnyīn ピンイン)が制定されました。
ピンインとは中国語の漢字を読むためにあてた、いわばフリガナです。英語やローマ字とは読み方が違いますし、日本語にはない発音もあります。
日本語は「五十音」というくらい、発音の種類は多くありません。中国語のピンインは約370通りの発音があります。ピンインを正確に読めるようになることが、中国語の上達のカギです。
中国語の「声調」とは発音のアクセント
中国語には声調、もしくは四声(しせい)と呼ばれるアクセントがあります。基本的に一つの漢字に一つの声調があります。声調・四声を正しく発音することは中国語を学ぶ上で非常に大事です。
- 第1声:高く平らな音
- 第2声:上がる音
- 第3声:低く抑える音
- 第4声:一気に下がる音
声調は単語の母音の上に表記します。「ma(マ)」という発音の場合、このように表記されます。
- 第1声:mā
- 第2声:má
- 第3声:mǎ
- 第4声:mà
声調が変わると意味が変わる
中国語が難しいと言われるのは、日本語にはない発音(ピンイン)がある事に加えて、声調が意味に大きく影響するからです。声調が異なると意味が変わることがあります。
例えば以下のような単語はピンインは同じでも、声調が違うと意味が変わります。
那里nàli;そこ | 哪里nǎli;どこ |
买mǎi;買う | 卖mài;売る |
眼睛yǎnjing;目 | 眼睛yǎnjìng;メガネ |
以下のものはよく似た発音ですが、意味が全然違います。
招集zhāojí;招集する | 焦急jiāozjí;あせる |
讲价jiǎngjià;値下げ交渉する | 涨价zhǎngjià;値上がりする |
书架shūjià;本棚 | 虚假xūjiǎ;嘘である |